【キーワード】
- FCFA(セーファフラン)という聞きなれない通貨を使用
- 1円 = 5FCFA
- 物価は大体日本の4~5分の1
- 1000FCFA(200円)で買えるものリスト
- シャンプーが高い
- カメルーン人の金銭感覚
カメルーンの使用通貨
カメルーンでは、FCFA(セーファフラン)という通貨が使われています。
「フラン」はフランスの昔の通貨なのでなんとなくイメージできるかもしれませんが、「セーファ」は推測が難しいかと思います。
CFAは
「Communauté financière africaine(アフリカ金融共同体)」
や
「Coopération financière en afrique centrale(中部アフリカ金融協力体)」
の略で、西アフリカでは前者、中央アフリカでは後者の意味で使われています。
1960年以前のフランス植民地時代は「Colonies françaises d’Afrique(アフリカの、フランス植民地)」という略称でしたが、独立以降に変更されました。
さすがにプライドが許さなかったのでしょう。
このFCFAという通貨を使用している国は、カメルーンの他に
セネガル、ギニアビサウ、マリ共和国、コートジボワール、トーゴ、ベナン、ブルキナファソ、ニジェール、チャド、中央アフリカ共和国、赤道ギニア、ガボン、コンゴ共和国
があります。ここを覗いているマニアックな方々にとってもFCFAという通貨は初耳かもしれませんが、使用している国は意外とたくさんあります。
カメルーンの物価
カメルーンの通貨がFCFAだということは上で説明しましたが、ではその価値はどれくらいなのでしょう。
ドルやユーロは大体100円~150円前後などと簡単にイメージが湧くかもしれませんが、フランセーファという未知の通貨では、想像すらつかないという方がほとんどでしょう。
我々カメルーンに住む日本人が持っている目安としては、
1円 = 5FCFA
です。厳密に言うと4.8FCFAほどですが、そこを気にしている人には会ったことがありません。
そして、特殊なのは、FCFAは対ユーロで固定レートだということです。
そのレートは
1ユーロ = 655.957CFAフラン
です。
ということはどういうことが起こるのでしょうか。
円⇒FCFAという交換は現状できないので、
円をFCFAに変えたいと思ったときに、円⇒ユーロ⇒FCFAというプロセスを踏む必要があり、得られるFCFAは円 対 ユーロのレートに左右されるということです。
この記事執筆当時のレートでは、1ユーロ = 約133.5円なので、1万円 = 約74.9ユーロになります。これをFCFAに直すと、
74.9ユーロ * 655FCFA = 49126.9FCFA
となります。結果的に1万円が約5万FCFAになりました。1ユーロ100円の円高になれば、1万円は65500FCFAになります。
1000FCFAで何が買えるのか
1000FCFAが約200円だということは前述の通りですが、では1000FCFAあればカメルーンでどんな買い物ができるのでしょう。
1000フランの使い方を何パターンかリストアップしました。
- ビール : 約2本 ( 600F / 650ml * 2 )
- バゲット(フランスパン) : 10個 ( 100F * 10 )
- トマト : 20個 ( 50F * 20 )
- 玉ねぎ : 10個 ( 100F * 10 )
- ジャガイモ : 2kg ( 500 * 2 )
- カメルーン料理の定食 : 2食 ( 500F * 2 )
- 乗合タクシーで片道30分の距離を往復 ( 500F * 2 )
- 肉 : 500g(2500F * 1/2)
このように、カメルーンで生産しているものは一人暮らしには多すぎるくらい買うことができます。
トマトなんて、1日3食ビーフシチューという生活を1週間続けられるくらい買えます。
あくまで参考ですが、パン1個が20円、玉ねぎ1個が20円、定食が100円ということを考慮すると、カメルーンの物価は大体日本の5分の1程度ということが分かります。
次のコーナーでは、逆に1000FCFAで何が買えないのかを見ていきます。
逆に何が1000FCFAで買えないのか
上で「カメルーンで生産しているものは」と書いたのには意味があります。大体物価が5分の1であるにもかかわらず、「え、それがそんなにするの?」というものも存在します。
そして、カメルーンで生産していても、高いものは高いです。
日本では200円(1000FCFA)で買えるのに、カメルーンでは買えないものもリストアップしてみました。
- シャンプー(3000F前後)
- 蛍光灯(一本1500F前後)
- ソーセージ(2500F / 800g前後)
- コピー用紙(1200F / 200枚前後)
- 制汗スプレー(2000F前後)
- 貸し切りタクシー(2000F / 一回)
こう見てみるとシャンプーがやたら高いのが分かります。
カメルーン人はほとんどが編み込みかボウズなので、シャンプーを使いません。使うとしても固形石鹸で済ませます。
タクシーに関しては乗合が一般的で、日本のような貸し切りタクシーは少々高くなります。
海外からの輸入品やぜいたく品(ビールを除く)は全体的に高いようです。
カメルーン人のお金の使い道
私の同僚にお金の使い道を尋ねてみました。一人は高校の教頭、もう一人は普通の教師です。
【40代男性・3人家族の場合(月収 : 34万FCFA)】
家賃 : 5万FCFA
家族の食費 : 3万FCFA
子どもの教育費 : 3万FCFA
ビール代 : 18万FCFA
その他・通信費やテレビ受信料など : 3万FCFA
【20代男性・一人暮らしの場合(月収 : 25万FCFA)】
家賃 : 5,5万FCFA
食費 : 2,5万FCFA
ビール代 : 5万FCFA
交通費 : 1万FCFA
その他・通信費やテレビ受信料など : 2万FCFA
貯金 : 残り全部
収入における結構な割合をビール代が占めています。
「平日の楽しみは仕事後の一杯」というのは日本の会社員と同様ですが、その量が極端です。
1人目の彼は1日に10本(650ml * 10)のビールを飲むので月に18万FCFAという途方もない数字になっています。
これはかなり多い方ですが、こういう人もいるよということをお伝えしたかったので挙げました。
カメルーン人とお酒の関係についてはカメルーンのお酒文化のコーナーでお伝えします。