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橋をかけるということ


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私の仕事は、いわばアフリカと日本の橋渡しだ。アフリカの課題をいかに日本側と共有し解決に導くかという点が肝になる。

 

「橋渡し」というとただ日本とアフリカをつなぐ(マッチングする)ことだと捉えられることが多いが、それ以外の要素も多い。そもそも「橋をかける」ということは「ギャップを減らす行為」だと思っている。

お互いの課題を整理し、いかに考え方の溝に橋をかけるか、ということだ。

 

例えば、何かの支払いが滞ったとして、日本側は「アフリカ人は怠惰だからだ」と思うとする。しかし実際には停電のため必要書類が印刷できず、銀行送金が実行できていなかったのかもしれない。

この場合、できる解決法は「怠惰な現地人の考え方を正す」のではなく、「停電の原因を修復すること」でもない。早目にリマインダーを送り、それでも振り込みがなければ締め切り前に状況を確認し、停電により遅れそうな状況を確認することと 、停電が復旧すればすぐに送金することを約束しておくことだ。

 

携帯の充電ができず返事が来ないとしても、何か不測の事態が起きているらしいことは察することができるので、コミュニケーションを取ろうとすることが重要だ。

 

しかし大体の場合、日本人感覚で締め切りまでに滞りなく振り込むのが当然だと思っているので、締切を過ぎてから振り込みがないことに気付き慌てて連絡する。だが停電の事情を知らないため「アフリカ人は怠惰だから払わない」と変に感情的になってしまい次回以降の取引にも支障が出る。

 

こうした事態は往々にして、ニ者間に文化的ギャップがある時に起こる。

 

こうしたギャップを埋める行為が「橋渡し」だと思う。

 

 

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