みなさんは質問をする際に気を付けていることがあるだろうか。私は以前全く気にしていなかったのだが、ここ数年は1点だけ気を付けるようにしており、それによって質問力が向上した; 短時間で相手からほしい情報を引き出せるようになったと自負している。
それは、できるだけ「Yes/No」で答えられる質問に落とし込むという点だ。ただし、「なぜ」という質問はしていいということにしている。
仕事でA、B、Cの3案が浮上し、決断を迫られているとしよう。上司や同僚に後押ししてほしい時にどのように質問するのが効果的だろうか。
以前の私は、仕事で他のメンバーに聞きたいことがあっても、「3案あるんですがどうしたらいいと思いますか」、「この案についてどう思いますか」などとオープンな質問をしていた。しかし、この聞き方では、相手は文字通り自分がどう思っているかを語るため、結論が出るのに時間がかかる上、自分と全く逆の意見を言ってくる可能性もある。最悪の場合、好き勝手意見を言われ、自分でもどの案がいいのか分からなくなることもある。
今の私なら、「〇〇という理由でA案で行こうと思っているが問題ないか」という聞き方をする。
ここで大事なのは、ある程度自分の中で答えを持っておくこと。なぜそれがいいと思っているのかを説明できるようにしておくこと、そしてYes/Noで答えられる聞き方をすることだ。
そうすると相手もいいか悪いかの2択で言えばいいので答えやすく、Noの場合も理由を述べやすい。オープンに質問してしまうと、私が何が正しいと思っているかを知らない彼らは、自分の見解を延々と語る。そして悪者にはなりたくないので「どの案でいくか」という一番大事なポイントには答えない。
みんなの頭の中に薄っすら「Aでいこう」という共通解があったとしても、何故か決断に時間がかかる場合があるのはこのためだ。
相手の説明がよくわからなかった場合も、「どういう意味ですか」と聞かずに「私は〜と理解したが合っているか」という聞き方をするだけで、相手はこちらとの理解の差を瞬時に察することができる。
「なぜ」という質問はなぜOKかというと、「なぜ」を3回以上聞くと物事の本質がわかるからだ。
例えば、
私は何故カメルーンに行ったのか → アフリカビジネスのきっかけを掴みたかったから
何故アフリカビジネスをしたいと思ったのか → 起業したいと思っていたが、アフリカ以外にチャンスがないと思ったため
何故起業したいと思ったのか → …
などと繰り返しているうちに私がカメルーンに行った理由の本質がわかる。
つまりマインドモデルの分析に使えるのだ。
Yes/Noと「何故」を使いこなすだけで、仕事は一気に簡単になる。