「ハクナマタタ」という言葉を一度は聞いたことがあると思う。ディズニー映画・ライオンキングで、主人公のシンバが国を追われてしまい、彷徨い続けた末にサバンナで倒れた後、ミーアキャットとイノシシの二人組に助けられた際に歌われるとてもポジティブな歌だ。
日本では上記の通りライオンキングで有名になったが、元々はスワヒリ語で、アフリカの言葉だ。
ハクナは「無い」、マタタは「問題」という意味で、「いいよ」、「問題ない」、「なんくるないさー」、「どうにかなるよ」のようなニュアンスで使われる。
先日タンザニアに行く前に、スワヒリ語圏では今でも「ハクナマタタ」と言うのか気になって調べてみた。ネットでは「いまでは別の言い方をする」、「日常で言う人はあまりいない」と書かれていたが、実際現地に行ってみるとかなりの頻度で使われていた。少なくともザンジバル島では。
「〇〇してくれない?」や「☓☓していい?」と聞いたとき、何かを心配しているとき、市場でこちらが強引な値引きをしている時など、とにかく「ハクナマタタ」と言っているのをよく聞いた。
私がアフリカ人の1番好きなところは「無理」とか「できない」とかネガティブなことを口にする前にまず一旦OKするところだ。これはスワヒリ語に限らず英語圏でも仏語圏でも共通で、一旦「問題ない」と言った後にたいてい大問題が出てくる。
しかし何もかも考えすぎ、石橋を叩いても渡らない私からすると、「ハクナマタタ」マインドは本当に羨ましい。
ポジティブな言葉を発していると自然にポジティブなマインドになるとはよく言うが、彼らにハクナマタタと言われると、こちらまで「まあいっか」と思えるから素晴らしい。