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相対関係と因果関係


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今日打ち合わせをしていて思ったのだが、相関関係と因果関係を勘違いしている人が多い。

 

相関関係とは、aとbの間には何らかの関係があるが、どちらかが他方の原因になっているとは言い切れない場合を指す。

 

例えば、暴力的なゲームが好きな少年/少女は将来犯罪に関わる可能性が高い。と主張した人がいるとする。

この場合

a→暴力的なゲーム

b→犯罪

となる。

 

確かに一見正しく見えるのだが、犯罪に走るような家庭環境で育った子どもが、たまたま暴力的なゲームが好きだった可能性もある。

暴力的なゲームが好きな子どもが100人いたとして、犯罪に関わった子どもを10人調査するとたまたま全員が暴力的なゲームを好んでいた場合、10人中10人が暴力的なゲームを好んでいたことになる。しかし、暴力的なゲームを好んでいた子ども100人のうち90人は犯罪とは無関係だ。暴力的なゲームに犯罪を誘発する要因はほぼないと言える。

10%は高いと思う方もいるかもしれないが、これはあくまで例だ。

そうすると統計的に、「暴力的なゲームが好き(a)→犯罪(b)」は成り立たないが、「犯罪(b)→暴力的なゲームが好き(b)」は成り立つ。

しかし犯罪に走ったために暴力的なゲームが好きになったわけではないので、因果関係はない。これは相関関係に当たる。

 

本当にゲームに犯罪を誘発する要素があるかどうかを確かめるには、ゲーム以外のすべての条件(親の収入、離婚歴、教育レベルなど)が全く同じ家庭環境の子どもを調査しなければならず、これは実際ほとんど不可能だ。

 

今日の打ち合わせで出た話はこれではないが、どう考えても因果関係はなく相関関係にあると思われる案件を、明らかな因果関係がある前提で話しており、周りも誰も指摘しなかった。

私はコメントしたが、彼はそれっぽい理由を言っていた。しかし、彼の主張はゲームと犯罪の関係のように、その他の条件を全て揃えて調査することはほぼ不可能なのである。

 

 

 

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