ネガティブに考えることを悪として捉える人も多く、ポジティブシンキングの本も多数出ている。
今日は、そんな世の流れと逆行してネガティブシンキングの効果について書いていきたい。
ポジティブシンキングを否定するわけではなく、ネガティブに考えることで力を発揮する人もいる、という話だ。
ウェルズリー大学の心理学教授、ジュリー・ノレム氏は「The positive power of negative thinking」という本を出版している。
彼女の実験によると、「いつも最悪の事態を想定して生きている」とアンケートに答えた悲観的な人たちに、ダーツを投げる前に以下の3通りのことをしてから投げてもらったところ、驚くべき結果が出た。
Aパターン:ヒーリングミュージックを聴く
Bパターン:ダーツが真ん中に命中するイメージをしてもらう
Cパターン:ダーツがあさっての方向に飛んでいくイメージをしてもらう
悲観的なイメージをしたCパターン後の命中率が1番高く、その差は30%もあった。
このことは、タイプによっては悲観的に考えることで最大の能力を発揮できる人もいるということを示している。
自分は悲観的であるという自覚がある人は、大きなチャレンジの前にあえて悲観的なイメージ(例えばこういう話をするとこういうネガティブなフィードバックが来そうだ、という想像)をするとより良い結果が出ることもあるだろう。
ちなみに私は典型的に「最悪の事態を想定しながら生きているタイプ」で、大きなプレゼンの前などは悲観的なイメージをしてから臨む。そうすると、現実がそれを下回ることはまずないので、終わった後ポジティブな気分にもなれてお得だ。